大間原発:建設差し止め求めて函館市が提訴

 Jパワー(電源開発)が青森県大間町に建設中の大間原発について、
津軽海峡の対岸に位置する北海道函館市は3日、同社と国を相手に、
建設差し止めや原子炉設置許可の無効確認などを求める訴訟を東京地裁に起こした。
自治体による原発の差し止め訴訟は初めて。
「過酷事故が発生した場合、自治体としての機能が著しく損なわれ、
壊滅状態になる」として、建設の同意に函館市も含めることを求めている。

 函館市と大間原発の距離は最も近い地点で23キロ。
原発建設で立地自治体以外の同意は不要だが、福島第1原発事故を踏まえ、
防災計画の策定義務づけが半径8〜10キロ圏から同30キロ圏まで広がった。

 訴状で市側は「原発による不利益と負担は少なくとも30キロ圏に及ぶ。
建設の同意は30キロ圏内の自治体も含めるべきだ」と主張。
大間原発は安全対策を強化した新規制基準の審査を受けておらず、
事故前の旧基準での審査による設置許可は違法で無効と訴えている。
また、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料だけを使用する
世界初の「フルMOX原発」であることに言及。
「実験的とも言える操業で(燃料の)毒性も強い」と指摘している。
提訴後に東京都内で記者会見した工藤寿樹市長(64)は「問題点を司法の場で訴えたい」と述べた。

 一方、青森県側の大間町や周辺自治体は静観の構えだ。
大間原発の30キロ圏では隣接自治体が原発関連施設のオフサイトセンター誘致に動いたり、
周辺自治体にも交付される電源3法交付金に期待したりしている事情がある。
原発建設中の下北半島最北端は交通の便が悪く、青森市街まで車で3時間半。
首長の一人は「何もないから先人が原発を誘致し、雇用確保を夢見た」と話す。

 原子力規制庁の話 内容を把握していないため、コメントは差し控えたい。
 Jパワーの話 誠に残念。裁判を通じて当社の考えを主張する。

http://mainichi.jp/select/news/20140404k0000m040123000c.html


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